教えているのに教わることも

　２２日（金）は　横浜国際プール　カルチャー教室にてトピアリーレッスンでした。

　
　

　毎年１回くらい、講習会のカリキュラムに組み込んでいるのですが、

　つくってみたいかたは結構いらっしゃるんですよ。

　レベル的には中級以上でちょっと難しいのですが、その分

　完成したときの達成感と喜びはひとしおです。




　実をいいますと、教えているわたしのほうも、２時間でちゃんと完成して帰ってもらえるかしらと、

　内心ドキドキなんです。

　今回は４人の方が講習にいらしてくださいました。

　みなさんそれぞれに、やはり少し難しいご様子でお花や木の実を挿していました。

　プリザーブドフラワーアレンジは初めてというかたがいらっしゃって、そのかたのアレンジが

　とっても斬新でしたのでその話を少しさせていただきます。

　アレンジをしていてありがちなのは、正面ばかりに花材を挿していて、後ろはフォームの地肌や

　下地がまるみえで材料が足りなくなってしまうことは多々あります。

　国際プールの講習会は、だいたいが材料費２０００円でおひとり分ご用意しています。

　アレンジを考えて、花材や資材を調達、人数分に振り分けて用意するのですが、

　確かに材料費が多ければ、たくさんの花材を用意することはできます。

　でも材料が多ければ多いほど素晴らしいアレンジができてスゴイ作品になるかというと

　決してそうではないと思うんですよ。

　個人的な考えではありますが、与えられた材料で、いかに工夫もしながらボリュームを出して

　素敵な作品に仕上げることがセンスと腕の見せ所・・・みたいなね。

　でも初めてのかたや、なれないとなかなかそうは簡単につくることはできません。

　わたしだって家で作品づくりをしていて、いっつも試行錯誤でうんうん唸りながらつくってるんですよ。

　いや、ホントに。

　で、今日のそのかたのアレンジがね、途中やはり正面ばかりに材料が集中してしまって、後ろは

　トピアリーボールの部分がまだまだ半分以上でこのあとどうやって埋めようか・・・

　どうやってそれを教えようかしら・・・とわたしのほうが焦ってしまいました。　

　ところが彼女は（あえて彼女とよばせていただきます）そんなに不安な様子もなく、

　「これ、壁の前において後ろが見えないようにすればいいわ・・・」　なんていうものですから

　びっくりして　「前ばかり全体的に詰まっている感じなので、もう少し間引いて、後ろのほうにね・・・」

　でも、その詰まっている感じは、決して変ではなく間違っているわけではないのですよ。

　確かにきれいに丸く埋まっていて、とっても豪華な感じでした。

　彼女はそういうふうにつくりたかったんですよね。

　でも材料が足りなかった・・・さて、どうしよう。

　もしもわたしが家でアレンジをしていてそうなった場合は、材料費をもう増やせない場合は、

　在庫にあるものをうまく使って、なるべくスペースが埋まるように考えて花材を挿しなおしたりします。

　わたしは常日頃　「見本どおりにつくらなくてもいいんですよ」　ってみなさんにお伝えしています。

　まさにその彼女には、自分の感性でオリジナルな作品をつくってもらっていたわけです。

　正面はほんとにきれいに挿し込んでくださって、間引いたら返って間抜けに変になっちゃう・・・

　それでその後ろの部分はどうしたかといいますと、余っていたレモンリーフを貼り付けるか、

　鉢植えの表面に使ったスパニッシュモスをピンで留めてゆくか、どちらかお好みのほうで

　仕上げてもらいました。

　彼女は、ピンを挿すのが楽しい・・・と言って、後ろ約半分はスパニッシュモスを敷き詰めた

　今までにないこれまた素敵なトピアリーの作品をつくってくださいました。

　「あぁーこんなふうにもちゃんとつくれるんだ・・・」　とわたしのほうが勉強させてもらいました。

　教えているつもりが教えてもらっていることも時としてあるんですねー。

　これもいろいろな人との出会いで得られる貴重な経験です。

　これからもこんな些細な事柄にも敏感に反応して、スキルの幅を広げていきたいと思います。

　そんなことに気づかせてくださった今日の彼女・・・Tさんに感謝したいと思います。

　ありがとうございました！

　次回もまたぜひお逢いしましょう・・・